写真では収めきれないほど壮大な場所がある。カルナック神殿はまさにそのひとつだ。
夜明けのナイル川に朝日が昇るなか、雄羊の頭を持つスフィンクスが両側に並ぶ参道 ― スフィンクスの参道 ― を歩いてみてほしい。空気は乾燥し、石はすでに温かく、目の前には、ちょうどドアの枠の前に立つ子どものような気持ちになるほど巨大な塔門がそびえている。そしてそれはまだ入口にすぎない。その先には、高くそびえる列柱、黄金の方尖碑(オベリスク)、聖なる湖、そして4000年以上前の物語が刻まれた壁が広がっている。ここは、史上最大の宗教複合施設だ。
カルナック神殿を訪れる前に知っておきたいことを、すべてここにまとめた。
カルナック神殿とは?
カルナック神殿は、一棟の建物ではない。ルクソールのナイル川東岸に広がる約80ヘクタールの宗教複合施設であり、約2000年という歳月をかけて築かれた。ひとりの支配者がひとつの時代に建てたのではなく、代々のファラオがそれぞれ神殿、柱廊、オベリスク、門楼を付け加えていった。こうして構造物が重なり合い、今や建築物というより、石に刻まれた小さな都市のような様相を呈している。
この複合施設の中心にあるのは、テーベの聖なる三神:神々の王アメン、その妻ムト、そして息子コンスだ。古代エジプト人はここを「イペト・イスト」、すなわち「最も選ばれた場所」と呼んでいた。現在の名称「カルナック」は「要塞村」を意味し、ちょうどその規模の敷地にふさわしい名前である。
現在、カルナックはギザのピラミッドに次いで、エジプトで最も多くの人が訪れる古代遺跡となっている。
時を超える旅
草創期(中王国時代、約紀元前2055年)
カルナックにおける最初の建造物は、ワハンク・インテフ2世の時代(紀元前2112〜2063年頃)に建てられた日干しレンガの小さな神殿が始まりとされる。大規模な建設は紀元前1971年頃のセンウセレト1世の治世に始まり、その後の1500年間、約30人のファラオがこの地に独自の建造物を加えていった。
黄金時代(新王国時代、約紀元前1550〜1069年)
カルナックが最盛期を迎えたのは新王国時代で、第18王朝のファラオたちはこの神殿を、神々への捧げ物であると同時に、自らの権力を示す場として位置づけた。
- ハトシェプスウト ― エジプトの著名な女性ファラオ。この地に2本の最も高いオベリスクを建立した
- トトメス3世 ― 祝祭殿を増築し、ハトシェプスウトの記念碑を消し去ろうとしたが果たせなかった
- セティ1世 ― 大列柱室の建設を開始した
- ラムセス2世 ― 大列柱室を完成させ、新たな中庭、塔門、彫像を加えて遺産を確固たるものとした
その後の時代
新王国時代以降も建設は数百年にわたって続いた。ある時期には、アメンの神官団がファラオに匹敵するほどの権力を持つようになり、プトレマイオス朝や初期ローマ時代にも独自の建造物が加えられた。カルナックの建設期間は、総じて紀元前2055年頃から紀元100年頃まで、すなわち同じ聖地での約22世紀にわたる不断の建設活動を包含している。
見どころ:何に注目すべきか
大列柱室
カルナックの中心的見どころであり、古代世界に現存する中で最も圧倒的な空間のひとつだ。16列に並ぶ134本の巨大な柱が4600平方メートル以上にわたって立ち並ぶ。中央の12本は高さ約24メートルに達し、10人が手をつないでも一本の柱を囲めないほどだ。もとは天井があり、中央通路の上方にある高窓(クレレストリー)から光が差し込み、神々の姿が描かれた柱へと劇的な光の筋を落としていた。見上げれば、当時の彩色の多くが今もはっきりと残っている。詳細:カルナックの大列柱室。
ハトシェプスウトのオベリスク
高さ約29メートル、現存する古代のオベリスクとして世界最高クラスの一本だ。アスワンのピンク御影石を一枚の巨石から彫り出し、もとは金と銀の合金「エレクトルム」で覆われていた。朝の最初の光を受けるよう設計されたものである。後にトトメス3世が砂岩の壁の後ろに隠そうとしたが、皮肉にもそれがこのオベリスクを3500年間守ることになった。→ ハトシェプスウトのオベリスク。
聖なる湖
古代エジプトの主要な神殿はどこも儀式的な浄化のための聖なる湖を持っており、カルナックのそれはすべての中で最大だ。湖のほとりには、日出の神ケプリを象った御影石のスカラベ像が立っている。地元の言い伝えでは、スカラベの周りを7回回ると願いが叶うとされており、試す訪問者の姿をほぼ必ず目にするだろう。カルナックの聖なる湖。
スフィンクスの参道
この儀礼用の道路は、南に3キロ離れたルクソール神殿とカルナックを結んでおり、両側に何百体もの羊頭スフィンクスが並び、それぞれラムセス2世の小像を前脚の間に抱いている。少し歩くだけでも、かつてこの道が担っていた儀式的な意義の深さが実感できる。カルナックと合わせてルクソール神殿も訪れ、この道の両端を歩いてみることをお勧めしたい。
10の塔門
カルナックにある10の巨大な門楼は、それぞれ異なるファラオが自らの権力を示すために加えたものだ。最初の塔門、すなわち訪問者が最初に通り抜けるものが最大だが、完成されることはなかった。内壁には当時の日干しレンガ製の建設用スロープが今も残っており、往時の工事の様子をしのばせる。
3つの聖域
複合施設は3つの主要エリアに分けられる。
- アメン・ラー聖域 ― 最大かつ最も多く訪問される区域。列柱室、聖なる湖、主要なオベリスクが含まれる
- ムト聖域 ― アメンの妻に捧げられ、何百体ものセクメトの彫像がある。ムト神殿について
- モンティゥ聖域 ― 最小の区域で、テーベの古代戦神に捧げられている
夜のカルナック:サウンド&ライトショー
機会があれば、ぜひ2回訪れてほしい。昼間に1度、そして日没後にもう1度。75分間のサウンド&ライトショーは夜の神殿境内を案内し、聖なる湖畔に座って楽しむフィナーレで締めくくられる。ナレーション、音楽、投影された光が柱や塔門の上で古代テーベの歴史を蘇らせ、湖面に映る光の反射は本当に見事だ。
ショーは毎日複数の言語で開催されており、英語の上演が最も多い。フランス語やドイツ語の回は観客が少なめの傾向がある。特に10月から4月の間は事前予約が望ましい。
訪れる前に知っておくと良いこととして、毎年12月21日(冬至)の日の出の際、太陽がカルナックの主軸線と正確に一致する。古代の天文計画の精緻さを静かに語る、驚くべき事実だ。→ カルナックの冬至の日の出。
訪問の計画
おすすめの時期
10月から4月はハイシーズンで、昼間は心地よく夜は涼しい(18〜25°C)。初めて訪れるには最適だが、事前予約が必要だ。5月から9月は猛烈な暑さとなるため、夏の観光は非常に早い時間帯に出発することが不可欠だ。一年を通じて、開館時間(午前6時頃)に合わせて到着すると、金色の光、涼しい気温、最も少ない混雑という恩恵が得られる。
アクセス
カルナックはルクソールの東岸に位置し、タクシー、馬車(カレッシュ)、地元のミニバス、あるいは観光ツアーで簡単にアクセスできる。ルクソール神殿は南に3キロほどで、車で約15分、徒歩で約30分の距離にあるため、1日で両方を訪れることも十分可能だ。
チケットと所要時間
入場料は大人600エジプトポンド、学生300エジプトポンド。主要エリアだけでも最低2〜3時間は確保したい。3つすべての聖域を見て、列柱室をじっくり観察したいなら、半日を充てることをお勧めする。最新の料金はルクソール入場料をご覧ください。
持ち物リスト
– 飲料水 ― 必要だと思う量より多めに
– 日焼け対策 ― 帽子、日焼け止め、サングラス
– 不整地に対応したつま先の閉じた歩きやすい靴
– 控えめな服装 ― 肩と膝が隠れるもの(エジプトでの服装ガイド)
– カメラ ― カルナックはどの角度からも撮影に値する
ガイドツアーと自由散策
知識豊富な地元ガイドは、どんな案内板よりもヒエログリフや歴史から多くを引き出してくれる。見学の始めに1〜2時間のガイドツアーに参加するだけでも、その後の時間に大きな意味をもたらす。ルクソールの旅行会社の多くが、交通費・入場料・ガイドをセットにしたツアーを提供している。自由散策が好みであれば、入口ゲートでガイドを雇うこともできる。おすすめツアーはルクソールのベストツアーをご覧ください。
なぜカルナックは心に刻まれるのか
大列柱室の中に立つ感覚は、いかなる写真も教えてくれない。内側に傾いているかのように見える巨大な柱、斜めに差し込む光の筋、4000年前の神々と王たちの物語が床から天井まですべての表面に刻まれている光景。カルナックは神々の住まいとして造られた。そしてそこを歩くとき、それはまさに今もそのように感じられる。